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日本3PL協会「物流効率化法セミナー」開催報告― 東京会場と大阪会場をオンラインで結んだ初の同時開催 ―

2026.03.18

2026年3月17日(火)、日本3PL協会は、東京会場と大阪会場をオンラインで双方向接続する形式により、当協会として初めての同時開催セミナーを実施いたしました。
当日は、物流事業者・荷主企業・メーカー・小売業など幅広い業種から多くの方々にご参加いただき、両会場合わせて約100名が来場。物流業界が直面する大きな制度転換に対する関心の高さが改めて示される結果となりました。

           (東京会場)                  (大阪会場)

■ 物流業界を取り巻く環境と、セミナー開催の意義
2024年問題を契機に、物流業界はこれまでにない構造的な変革期にあります。
トラックドライバーの時間外労働の上限規制が適用され、輸送力不足が顕在化する中、国は物流の持続可能性を確保するため、2025年4月に「物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)」を施行しました。
この法律により、すべての荷主・物流事業者に対し、
  ・荷待ち時間の短縮
  ・荷役等時間の短縮
  ・積載効率の向上
といった取り組みが努力義務として課されました。
さらに2026年4月からは、一定規模以上の荷主・物流事業者が特定事業者として指定され、中長期計画の作成・定期報告・物流統括管理者(CLO)の選任など、より実務的で重い義務が発生します。
こうした背景から、制度の正確な理解と実務対応のポイントを共有するため、本セミナーを企画いたしました。

初めに、「2026年4月1日から義務化となる物流効率化法」として、経済産業省 商務流通サービス 物流企画流通専門官 新井 和樹 氏より、改正物流効率化法の背景、制度の目的、そして2026年4月から義務化される内容について、国の最新方針を踏まえた講演が行われました。


■法改正の背景
新井氏は、物流が国民生活と経済活動を支える社会インフラである一方、ドライバー不足・長時間労働・低い積載効率など、構造的な課題が深刻化している現状を説明。
特に、荷待ち・荷役時間が1運行あたり3時間を超えるケースが多く、ドライバーの拘束時間が長期化している点を強調されました。
 
■努力義務の具体的内容
講演では、荷主・物流事業者が取り組むべき具体的な措置として、以下が示されました。
  ・予約受付システムの導入による荷待ち時間の削減
  ・パレット化・標準化による荷役時間の短縮
  ・納品日の集約や繁閑差の平準化による積載効率向上
  ・配車システム導入による運行計画の最適化
また、国はこれらの取組状況を調査・公表する方針であり、企業の姿勢が社会的に可視化される時代に入ることが示されました。

■特定事業者の指定とCLOの役割
2026年4月からは、一定規模以上の荷主・物流事業者が特定事業者として指定されます。
  ・荷主:年間取扱貨物量 9万トン以上
  ・運送事業者:保有車両 150台以上
  ・倉庫業者:保管量 70万トン以上
特定荷主には、物流統括管理者(CLO)の選任が義務付けられ、経営層として物流改善を主導する役割が求められます。
参加者からは「制度の全体像が明確になった」「自社がどの区分に該当するか理解できた」といった声が多く寄せられました。

次に、「物流改正2法 特定荷主に課せられた義務 ~自社の課題を検証する~」として、有限会社エイチ・アイ・プランニング代表 岩﨑 仁志 氏より、物流改善・法制度対応の実務支援を長年行ってきた経験からより現場に近い視点での解説が行われました。

■荷主区分の判断方法
岩﨑氏は、第一種荷主・第二種荷主の違いを、実際の物流フローを用いて丁寧に解説。
 ・第一種荷主:自社が運送契約を締結する場合
 ・第二種荷主:取引先が運送契約を締結し、自社が貨物を受け渡す場合
また、仕入と出荷で契約主体が異なる場合は、両方の荷主区分に該当するケースがあることも示され、参加者から多くの質問が寄せられました。

■ 中長期計画・定期報告のポイント

特定事業者に求められる中長期計画については、
  ・実施する措置
  ・具体的な内容・目標
  ・実施時期
  ・荷待ち時間の計測方法
など、実務上の注意点が詳しく説明されました。
特に、荷待ち時間の計測はサンプリングが認められる点や、一定時間以内であれば報告省略が可能な点など、実務に直結する情報が共有されました。

■2026年1月施行の「取適法」改正
岩﨑氏は、2026年1月に施行された「取適法(旧下請法)」の改正にも触れ、運送委託が新たに対象となった点を強調。
これにより、荷主企業は運送委託においても、
  ・一方的な代金決定の禁止
  ・手形払いの禁止
  ・不当な返品・減額の禁止
など、より厳格な取引ルールが求められることが説明されました。

参加者の反応からのセミナー終了後のアンケートでは、以下のような声が多く寄せられました。
  ・「制度の背景から実務対応まで一気通貫で理解できた」
  ・「自社が特定荷主に該当する可能性を初めて認識した」
  ・「荷待ち時間の計測方法など、現場で何をすべきかが明確になった」
  ・「東京と大阪をつないだ形式は臨場感があり、双方の反応が見えて良かった」
参加者の多くが「非常に有意義だった」「今後も継続的に情報提供してほしい」と回答され、今回のセミナーが業界の課題認識と行動につながる重要な機会となったことが確認できました。

今回のセミナーは、日本3PL協会として初めて東京会場と大阪会場をリアルタイムで接続する形式で開催しましたが、双方の会場が一体となり、活発な学びと交流が生まれる大変有意義な場となりました。

物流効率化法および物流改正2法は、今後の日本の物流を大きく変える重要な制度です。

当協会としても、会員企業の皆さまが制度を正しく理解し、実務に落とし込めるよう、最新情報の提供や研修機会の拡充に努めてまいります。

ご参加いただいた皆さま、そしてご講演いただいた新井様、岩﨑様に心より御礼申し上げます。

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